管理職である前に、人としてどう関わるか
「自分でやった方が早いけ、どうしても仕事が振れんのです。」
「ちゃんと見とらんとミスが起こるんじゃないかと不安で、目が離せんのですわ。」
「ちゃんと伝えて『はい!』て言うたのに、なぜか伝わっとらんのです。」
管理職の方と話すと、こうした葛藤をよく耳にします。
成果を出す責任と、部下を育てる使命。両立の難しさに、日々悩みながら現場に立つ方は多いのではないでしょうか。
リーダーとしての視点や関わり方を見直すことは、業績のためだけでなく、チームの力を引き出し、部下の成長を促すうえでも非常に重要です。
今回は、私たちがご提供している管理職研修の内容をベースに、管理職が今あらためて身につけておきたい「役割意識」と「関わり方」についてお伝えします。
管理職の役割は、プレイヤーからチームビルダーへ
管理職の役割を問うと、多くの方が「成果責任を果たすこと」と答えます。もちろん正解です。
しかしその成果を、プレイヤーとして一人で担うのではなく、「人と組織を動かして生み出す」という視点が、これからの管理職には欠かせません。
そこで大切になるのが、業績だけでなく「人間の側面」に目を向けること。
チームのメンバー一人ひとりが、安心して自分の力を発揮できるよう、環境を整え、関係性を育てることもまた、リーダーの重要な役割です。
たとえば、自分が理想とする「ついていきたいリーダー」はどんな人か?
その問いに向き合うことで、管理職自身が「どんな関わり方を目指したいか」が明確になります。
そしてそれを、日々の言動に落とし込むことで、『管理される側』から『信頼されるリーダー』へとシフトしていけるのです。

信頼は、スキルと意識の積み重ね
リーダーにとって信頼は、あいまいな「人柄」ではなく、日常のスキルと姿勢で築かれていくものです。
そのカギになるのが、部下との関わり方──特に、聴く力、訊く力、フィードバック力です。
相手の考えや理由を引き出し、相手の考えに対して理解を深めること
感情をぶちまけ「怒る」のではなく、相手の行動・事実にフォーカスし自分の感情を言葉で伝える
こうしたスキルは、自然にできるものではありません。
実際の研修では、ロールプレイや相互フィードバックを通して、「わかったつもり」を「できる実感」へと変えていきます。
関わり方が変われば、職場が変わる
部下のタイプは多様化し、昔ながらの指示命令だけでは通用しない時代です。
今、求められているのは、「聴いてくれる上司」「理解しようとしてくれる上司」「期待してくれる上司」。
こうした存在は、部下にとって「この職場でがんばりたい」と思える原動力になります。
実際、研修に参加された方からは、
「今までできてないことばかり見ていたが、まず聴く姿勢を持つことで関係性が変わった」
「ほめるのが苦手だったが、相手の成長を見つける習慣がついた」
といった声があがっています。
関わり方が変われば、職場の空気が変わる。
職場の空気が変われば、チーム全体の成果にも変化が生まれます。
まとめ
管理職は「人と成果の両立」を求められる、極めて高度なポジションです。
だからこそ、自分ひとりで何とかするという発想を手放し、人と共に成果をつくるというスタンスへとシフトすることが大切です。
管理職の役割を理解し、部下への関わり方を磨くことは、管理職自身の成長にもつながります。
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