【よくある相談例】
「若手がねぇ、素直でええ子なんじゃけど、どうも指示を待ってばかりで自分から動かんのよね…」
「中堅社員が自分のことで精いっぱいでねぇ、もっとチームに関わってくれたら、雰囲気も変わるんじゃけど…」
こうした声、広島近郊の企業を訪問する中で、経営者・人事担当者の方から本当によく聞きます。人が足りない、人がなかなか定着しない。人がなかなか成長しない。そんな人材環境の中で「自ら動ける人材」は常に求められています。
では、「自ら動く人」とは、いったいどんな人なのでしょうか?
キーワードは「プロアクティブ」
プロアクティブ(Proactive)という言葉を直訳すると「先を見越して行動する」ですが、我々キャンビーキャリアはここではもう少し広い意味で使っています。(にきびのアレとは別です)
・相手の状況や気持ちを想像して動ける
・自分の考えを発信しできる
そんな積極的に先回りした行動が自然にできる行動や振る舞いを「プロアクティブ」と称しています。
今の組織に必要な人材は、まさにこのような「プロアクティブな人材」と言えるのではないでしょうか。
不確実な時代、業務がどんどん複雑になる中で、マニュアル対応だけでは間に合いません。部署間の連携や、チームの一体感が成果を左右する今、「プロアクティブ(積極的に先回りした行動)力」が組織を前進させるカギになるのではないかと考えています。
「巻き込む力」はセンスじゃない
ありがちなのが、「うちの社員は内向的だから」「性格的におとなしいから仕方ない」と諦めてしまうケース。でも実際は、関わり方を教わっていないだけの人が多いのです。
たとえばこんな場面、あなたの職場にもありませんか?
- 会議で「何か意見ありますか?」と言っても「・・・シーン」
- 新人が困っていても「誰かが助けるだろう」と、周りが声をかけるタイミングを逃してしまう
これらは、やる気や能力の問題ではなく、「どう関わればいいかわからない」から起きていることがほとんどではないでしょうか。つまり、積極的に関わる力=プロアクティブコミュニケーションは、学び、経験し、身につけていける後天的な『技術』なのです。
ヒントは遊びの中にある
意外に思われるかもしれませんが、「積極的に関わる力」を引き出す方法として有効なのが、遊び心ある体験。
研修では、こんなゲームを活用してその力を体験し、身に着けてもらいます。
たとえば。
お題を絵で描き、それをリレー形式で次の人に伝える
「お絵描き伝言ゲーム」
情報が分散されたカードをチームで持ち寄り、協力して正解にたどり着く
「情報共有ゲーム」
どのチームが最も高いタワーを作れるか、チームとしての行動方針をまとめ競う
「タワー建築ワーク」
こうした場面では、「どうすれば伝わる?」「どう動けばチームがうまくいく?」という問いに、自然と向き合うことになります。また、これらのゲームの中では、チームみんなが同じゴールに向かい、役割分担を決め、時に自分の役割を越えメンバーを助け、自分に課せられた業務を遂行する必要があります。
まさに普段の業務の縮図のようなイメージです。
このゲームを通じて、普段の仕事ではなかなか見えてこない自分の関わり方のクセや、周囲とのコミュニケーションの距離感に気づくことができるのです。
関係が変われば、組織は変わる
ある広島の企業では、中堅社員同士が協力してタワーを作るワークを実施したところ、それ以降の雑談やアイデアの共有が格段に増えたそうです。
「たかがゲーム」と侮るなかれ。関係性の質が変われば、コミュニケーションの質が変わる。
コミュニケーションの質が変われば、仕事のスピードも質も変わっていくのです。
まとめ
今このコラムを読んでいる皆様が新入社員や若手社員だった頃よりも、職場内のコミュニケーションの機会は減っているのではないでしょうか。残業がしにくくなり、業務中の雑談も必要最低限、飲み会は減り、喫煙所の「ここだけの話」もめっきり無くなりました・・・
だからこそ、多くの組織で必要とされているのは、「積極的に関わる力」なのです。
率先して声をかける、積極的に意見を出す、協力してチームで考える。そんな日常のひとつひとつの積み重ねが、強い組織をつくのではないでしょうか。
関係性は、育てるもの。
プロアクティブな人材が一人でもいれば、職場の空気はきっと変わります。
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貴社にとって本当に必要なゴールへ伴走いたします