ちゃんと『会話』をしているのに、なぜ認識はズレるのか
「えー!これ、こないだも言ったじゃん!」
「あ~・・・いや~、そうでしたっけ?そんなふうには聞いてなかったと思いますけど。」
こんな状況は、様々な会社(家庭やプライベートでも…)で起きているのではないでしょうか。
日々の業務、打合せやミーティング、1対1の面談でも、確かに「会話」はしているはずなのに、
それなのに、なぜか認識や理解がズレてしまう。
・伝え方が悪かった
・相手の理解力の問題
そう考えてしまいがちですが、実はここには、もっと構造的な理由があります。
会話がズレる「原理原則」
私たちは日々、誰かと会話をしています。
しかし、自分の発している言葉が「相手にどう伝わっているか」を、
明確に意識することは、意外と少ないのではないでしょうか。
人は何かを話すとき、必ず自分の中にストックされている経験や知識から言葉を紡ぎます。
一方で、受け手はその言葉を、自分自身の経験や知識につなげて理解しようとします。
たとえば、この話を読んでみて、
すこしだけでよいのでその光景をイメージをしてみてください。
私の家の近くには人気のケーキ屋さんがあります。
私は週末に、そのケーキ屋さんで大好きなケーキを買い、
家に帰って濃いめのコーヒーをお供に、ケーキを食べるのが好きなんです。
この文章を読んだとき、
ケーキ屋さんの雰囲気や店員さんの表情、ケーキの種類、コーヒーの香り、部屋の光景などなど。
あなたなりのイメージが浮かんだはずです。
それはすべて、あなたがこれまでに見たり、体験してきたものから連想されたもの。
「私」とまったく同じ光景を思い浮かべられた人は、まずいないでしょう。
これが、「会話」の原理原則です。
そして、会話がズレる本質でもあります。
人が何かを伝えるときは、
自分の知識や経験という「箱」の中から言葉を取り出します。
受け手は、その言葉を
自分の知識や経験という、受け手の「箱」に結びつけて理解します。
発信側と受け手の箱の中身は、そもそも違う。
だから、ズレる。
これは能力の問題でも、意欲の問題でもありません。
会話という仕組みそのものが、ズレやすくできているのです。
「箱」の中身が違えば、ズレて当然なのです。
ズレを小さくする3つの工夫
では、認識や理解を揃えたいとき、何を意識すればよいのでしょうか。
一つ目は、言葉をできるだけ具体にすること。
「ちゃんと」「しっかり」「なるべく早く」といった抽象的な表現は、
相手の箱の中で、まったく別の意味に変換されがちです。
具体的に5W1Hを使ったり、定量的に話をしたり、
同じ物・データ・画像を見ながら、会話をするとズレは少なくなります。
二つ目は、相手がどう理解したかを確認すること。
「今の話、どう理解したか私に説明してみて?」
と復唱確認をする。このひと手間で「箱の中身」が見える化されます。
三つ目は、共通の経験や基準を日頃から積み重ねておくこと。
日ごろから、
何が正しくて、何が正しくないのかをすり合わせをしておく。
事例の共有、失敗の振り返り、言葉の定義の認識をそろえておく。
これが、ズレにくい会話の土台になります。
会話とは「経験のすり合わせ」(特にビジネスでは)
もしあなたが、誰かとの会話で
「なんでこんなに話が噛み合わないんだろう…」と感じたことがあるなら、
それは自分の責任でもなく、相手が悪いのではなく、
お互いの「箱の中身」が違っていただけかもしれません。
会話とは、単なる言葉のやり取りではなく、
経験と経験をすり合わせる行為と言えるかもしれませんね。
そう捉えるだけで、
「え?こないだ言ったよね?」は、少しずつ減っていくはずです。
日々の業務、打合せやミーティング、1対1の面談においても、
この視点は必ず活きてきます。
もし、社内コミュニケーションや人材育成のあり方に
少しでも引っかかりを感じているなら、ぜひ一度ご相談ください。
CAN be CAREERは、広島から、
組織と人がともに育つ人材育成を、これからも伴走していきます。