~なぜ、評価制度の形骸化は起こるのか~
「何年も前にコンサルに作ってもらった評価制度があるんじゃけど、
評価面やらは、もはや儀式のような感じなってしまっとる…」
「公開講座の評価者研修を受けてみたけど、どうもうちのやり方とは噛み合っとらんかった…」
「評価会議をしても、ただ点を付けているだけで、社員の成長につながっている気がせん…」
これは、私たちが日々、中小企業の経営者・人事担当者からよく伺う声です。
制度も、研修も、それぞれに意味はあるのに。それが「つながっていない」という違和感。
今回は、そんな悩みに対して「制度にフィットした人事評価」の設計方法と、その実践ポイントをご紹介します。キーワードは、『その会社に合ったしくみづくり』と『目線合わせ』。
制度と研修が噛み合わないと、現場はどうなる?
人事評価制度が形骸化してしまう大きな理由の一つが、「現場の納得感のなさ」です。
制度そのものが、社内に浸透しておらず、評価者によって理解や運用のレベルに差があると、たとえ立派な評価表やガイドラインがあっても、それが「紙の上のルール」で終わってしまいます。
とくに中小企業では、評価者である管理職やリーダー層の数も限られており、一人ひとりの判断が組織全体に与える影響が大きくなります。だからこそ、制度を理解し活用できる「評価者の育成」は、非常に重要なのです。
評価者研修は、制度に合わせてつくるべき理由
よくある評価者研修では、評価エラー(甘辛評価・中央化傾向など)や、評価の基本的な進め方を学びます。もちろん、それも大切なステップです。ただ、それだけでは「自社の制度に基づいた評価」を正しく運用する力は身につきません。
制度は企業の文化そのものです。「何を良しとするのか」「どういう行動を求めるのか」が詰まった仕組みです。だからこそ、評価者には自社の価値観に基づいた判断軸を持ってもらう必要があります。そのためには、制度を教材にして「自社の制度の意図を体感する」評価研修が効果的なのです。
制度にフィットする研修の鍵は「DAY0」の設計にあり
私たちが提供する人事評価者研修は、DAY0(準備編)→DAY1(基礎編)→DAY2(演習編)と、3日間にわたって実施します。中でも特に効果を実感していただいているのが、この「DAY0」の取り組みです。
DAY0では何をするのか?
経営幹部メンバー・人事・我々研修企画者が一堂に会し、「模範解答」の作成を行います。これは単なる正解づくりではなく、会社としての評価観点・価値基準を言語化し明確にするプロセスです。
例えば、あるケース(部下の行動事例)に対して、「どのように評価すべきか?」をディスカッションします。
この時、話し合いの中から、「うちの会社はこういう行動を評価したい」「こういう考え方は違う」といった暗黙の価値観が浮かび上がってきます。
この模範解答をもとに、評価者研修の教材をカスタマイズすることで、制度にフィットした実践的な学びが可能になるのです。
研修で見えた変化:ある中堅製造業のケース
広島県内のある製造業では、評価制度は導入済みでしたが、「評価に自信がない」「部下から不満が出る」といった声が続いていました。
そこで、DAY0で経営層と人事が中心となって模範解答を作成し、DAY1・DAY2の研修を通じて、「制度の背景理解」「評価エラーの回避」「組織の価値観をふまえた判断」を評価者全体で学びました。
結果として、以下のような変化が生まれました:
- 評価面談で「行動に基づいた具体的なフィードバック」が増えた
- 管理職同士の「評価基準に関する対話」が活発になった
- 部下からの「評価の納得感がある」という声が増えた
評価制度が運用されている実感が生まれたことで、管理職のモチベーションや責任感にも好影響がありました。
まとめ:制度を活かす評価研修で、人材育成が進み出す
評価制度を導入するだけでは、人材育成が完了するわけではないのは言うまでもありません。
大切なのは、「制度に基づいた評価者の目」を育てること。そのためには、制度そのものを題材にした研修設計が有効です。
私たちは「なりたい姿の実現に共に挑む」ことをミッションに掲げ、評価制度と研修の橋渡し役として、貴社の制度を最大限に活かす伴走をしています。
評価のバラつきに悩んでいる、評価者の成長に力を入れたい、制度の運用力を高めたい。そんなときは、ぜひお気軽にご相談ください。
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