主体性は未来の「育成力」の土台。若手時代の「行動量」が、誰かを育てる力になる理由。

主体性とはなんぞ?と思っている若手社員の方へ。

あるとき、若手社員からこんな相談を受けました。

「上司に『もっと主体的に動け』って言われるんですけど、
正直、『主体的』って何なんですか?
それに『主体的に動いた』ところで、何の意味があるんですかね?」

今回のコラムは、
そんな疑問を感じた若手社員の方に向けて書いていこうと思います。

「主体性」という言葉は職場でよく聞かれます。
なんとなく「目的を考え自分で考え動く!良いこと!」という漠然としたイメージはあれど、
たしかに、それがどういう状態を指すのか、なぜ必要なのか、きちんと説明される機会は少ないかもしれません。

実は、主体性とは単なる「仕事のスタンス」ではなく、
将来、あなたが誰かを支える立場になったときにこそ、大きな意味を持つ力につながっているのです。

主体性は、最初から備わっているわけではない

結論から言えば、主体性とは「最初から持っているもの」ではなく、行動の連鎖の中で育っていくものです。

多くの人は、最初は分からないことだらけで、やってみて、失敗して、学んでいく中で、少しずつ「自分なりの考え」や「行動の軸」が育っていきます。
それこそが、主体性が芽生えるプロセスなのです。

人はこうやって成長していく

主体性に至るまでの成長には順序があります。

  1. 初めての環境に置かれる
  2. 行動する
  3. 成功や失敗を繰り返す
  4. その経験が知識が結びつき能力になる
  5. 能力を使って周囲に貢献する
  6. 様々な影響を与え、自分に価値観や信念が育つ
  7. 「自分はこうしたい」「こうありたい」という想いが芽生える
    この想いが、主体性の源泉です

つまり主体性とは、「自分で考えてから動く」ものというより、
「行動」を積み重ねた結果として、自分の中に生まれてくる意思のようなものなのです。

行動の少なさが、成長の連鎖を止めている

ところが最近、この成長サイクルがうまく回らない場面が多くなってきました。

  • 失敗を極端に恐れて、一歩を踏み出せない
  • 周囲が丁寧に先回りしすぎて、挑戦の前に助けられてしまう
  • マニュアルや手順が整備されすぎて必要最低限の行動でOKになってしまう

結果として、上記のプロセス②「行動する」の量が圧倒的に少なくなり、
そこから先の「経験→能力→価値観→想い→主体性」へとつながる連鎖が断ち切られてしまうのです。

主体性が足りないのではなく、現代社会では、主体性が育つための材料が足りていない状態だと言えます。

主体性は、未来の育成力の原点になる

ここでもう一つ大事なことがあります。
主体性は、今の仕事を上手くこなすためだけの力ではありません。
将来、あなたが誰かを育てる側になったとき、最も大切になる原点でもあるのです。

なぜなら、人を育てるという行為は、先ほどの成長サイクルを逆方向に回すプロセスだからです。

育成のサイクル(成長のプロセスを逆方向に)

  1. 「自分はこうありたい」という想いを起点に
  2. 価値観や信念をもとに相手と向き合い
  3. 自分の経験や能力を伝え
  4. 相手の行動を引き出し
  5. その行動が環境を変えていく

つまり、あなた自身が行動し、経験を重ね、価値観を育ていたリーダーになれば、
その軸をもとに、誰かの背中を押すことができるのです。
主体性を持って動いた経験が、そのまま育成力に転換されていくということです。

だからこそ、今は「動いてみること」から始めよう

もし、今のあなたに「明確な想い」や「こうありたい」という軸がなかったとしても、全然問題ありません。大丈夫です。最初からそれを持っている人なんて、ほとんどいません。

あなたが若手社員である今、やるべきことはいたってシンプルです。
上司や先輩からの指示に対して、積極的に動いてみること。

職場に「とりあえずやってみ?」しか言わない人、いないですか?
「は~またワケ分からん事いいよる。たいぎいのぉ」と思う気持ち、分かります。
そこで、その気持ちをグッとこらえ、少し自分なりに目的を設定してみて一歩前に踏み出す。
その一歩が、経験として蓄積し、やがて能力となり、価値観や信念へと繋がっていきます。

もちろん、行動した結果、うまくいけば儲けもん、ラッキーです。
でも、失敗して落ち込んだり、みじめな気持ちになることの方が多いかもしれません。
それでも大丈夫。
その「うまくいかなかった経験」こそが、将来あなたの後輩が失敗したときに、心から共感できる原体験になり、
そうした共感できる引き出しが多い人ほど、後輩や部下に寄り添える存在になることができるからです。

この蓄積が、人を惹きつけ、信頼され、育成する力の源泉となるなのです。

おわりに

CAN be CAREERは、若手の行動を主体性へ、そして未来の育成力へとつなげていく人材育成・組織開発の支援を行っています。

主体性のある人材を育てたい。
若手が自ら動ける組織にしたい。
そんな思いをお持ちの企業さまは、ぜひお気軽にご相談ください。

今の行動が、未来の誰かを育てる力になります。

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