『背中を見て覚えろ!』と言われてきた私たちが、『若手を育てる側』になったとき

現在40代の筆者である私が、20代前半の若手社員だった頃。
上司からの指示は目的も目標も曖昧で、「つべこべ言わずにやれ!」という一方的なものでした。
当時の私は「ハイ、分かりました!」と返し、目的も目標もよく分からないまま、とにかくやるしかない。
そんな環境の中で仕事を覚え、何とか前に進んできたように思います。
(当時の上司がこのコラムを読んでいませんように(笑))

人材を丁寧に育てるという環境は乏しく、仕事は試行錯誤しながら自分で覚えていく。それが当たり前だった時代。
私と同じような経験をされてきた方も多いのではないでしょうか?

そんな私たちが、今や「育てる側」になりました。

育成の経験がない私たちが、育成するということ

いざ若手社員と向き合ってみると、「指示通りに動いてくれない」「受け身に見える」「指示待ちが多い」。
そんな印象を持つことも少なくありません。
更に「もっと主体的に動いてほしい」「挑戦して成長してほしい」と願うものの、『主体的に動いてもらうためには』どう関わればよいか分からず戸惑ってしまう。
これは、「育てられた」経験が乏しい私たちが、そもそも「育てるための引き出し」を持っていないことが背景にあるのかもしれません。

そして、かつて自分たちには通用していた「とにかくやれ!」が、今の若手には通じない。
そのギャップに悩みながらも、試行錯誤している方も多いのではないでしょうか。

若手が成長するカギは「行動・挑戦」の機会

では、どうすれば若手は主体的に動き、成長していけるのか。
その答えは「行動」、そして「挑戦」の中にあります。

人はまず「環境」が与えられ、
その中で「行動」することからすべてが始まります
行動を繰り返す中で、「成功」と「失敗」という経験が生まれ、
その経験が知識やスキル・ノウハウへと変わり、「能力」となります
また、失敗の痛みを知ることで、他者への「共感力」も育まれます
能力と共感力を兼ね備えた人は、周囲から信頼され、やがてリーダーとして人がついてくる存在になる。
能力を発揮し、周囲と連携し、良い影響の『輪』を徐々に広げていくことで自らの「価値観」が形成され
「自分はこうありたい」「こうなりたい」という思いが生まれる。

この思いこそが「主体性」であり、人の成長に欠かせない原点なのです。

つまり、若手時代にどれだけ行動=挑戦を重ねたかが、将来のリーダーシップや人間力の土台をつくる。
成長の起点は、いつの時代も「行動」であることに変わりはありません。

育て方が分からなくても、育てる姿勢は持てる

私たちの世代は、「育ててもらった実感」は少ないかもしれません。
でも、育成の本質には確かに触れてきたはずです。

思い返せば、当時の職場にも、何かチャレンジをするときに背中を押してくれた先輩や上司がいたはずです。
成功を一緒に喜び、失敗しても見捨てずに支えてくれた人たち。
そんな存在がいたからこそ、ここまでやってこれた。そう思える方も多いのではないでしょうか。

今の時代に必要なスキルや知識は、これから学べばいいのです。
「育てるのが得意かどうか」ではなく、「育てたい」「支えたい」という気持ちさえあれば、育成は始められます。

若手の挑戦を支える環境をつくる

世の中が目まぐるしく変化をし続けている今、我々に求められているものは、変化に対応する柔軟性と、挑戦・チャレンジによってマーケットをこじ開ける力強さだと思います。

そして、「育てる側」の我々に最も必要なのは、若手が挑戦しやすく、安心して行動できる環境なのではないでしょうか。
失敗を責めるのではなく、そこから学べるようサポートすること。
そして、小さな一歩でも「行動」を後押しし続けること。CAN be CAREERでは、そうした土壌づくりを大切にしながら、若手の「行動と挑戦」を引き出すご支援を行っています。育成に悩む管理職の方や、人材育成のあり方を見直したい企業さまは、ぜひ一度ご相談ください。

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